
「看護現場のコミュニケーションの質を改善していきたい」
「看護師ってコーチングのスキルは活かせるの?」
このようなお悩み・疑問を、徹底的に解消していきます!
- 看護師が身につけておきたいコーチングスキルがどんなものか理解できる
- コーチングスキルの研修方法や実際の使い方がわかる
患者のケアにおいてコミュニケーションやチームワークは不可欠ですが、その向上にはコーチングの手法が効果的です。
本記事では、コーチングの技術を看護現場にどう生かすかを具体的に解説します。
記事では看護師が抱える課題や悩みをコーチングを通じて解決する事例を紹介し、具体的な研修方法も提案するので、ぜひ最後まで見てください!


山田 夏輝
コーチング事業を運営する会社を経営。コーチング会社と英語コーチングの会社のCMOも兼任。ポジウィルで元キャリアコーチとして勤務。コーチング実績は300人・600時間以上・満足度9.1。GCS認定プロフェッショナルコーチ。
コーチングとは


コーチングとは、相手の話を傾聴したり質問を投げかけることによって、思考の整理や内省を促すコミュニケーション手法のことです。
相手の話を傾聴したり質問を投げかけることによって、思考の整理や内省を促すコミュニケーション手法
コーチングは目標達成にための手段であり、目標達成に向けた目標設定や課題分析、行動の設定をコーチとともに行います。
コーチングでは相手に思考や言語化をしてもらうというものであるため、コーチングを受ける人は「自分で決めた」という思いが強くなり、より自発的な行動を促すことが可能になります。
また、コーチングによってコーチが相手にとって自分と一緒に行動をしてくれるという感覚が芽生えるからこそ行動のためのモチベーションを継続することが可能になります。
このようにコーチングは従来のコミュニケーションとは異なる性質を持っており、正しくコーチングの使い方を学ぶことであなたのコミュニケーションの幅が広がります。
そもそものコーチングの意味や効果について知りたいという方は、まずは以下の記事から読んでみてください!


看護師がコーチングスキルを身につけるメリット


看護現場においてコーチングを導入することは、患者さんや院内の同僚同士のコミュニケーションを深めるなど大きなメリットがあります。
看護師がコーチングスキルを身につける主なメリットをご紹介します。
院内のコミュニケーションが深まる
コーチングは、相手の立場に立って寄り添い、適切な質問や傾聴を通じてコミュニケーションを構築する手法です。
コーチングによって、働く社員同士のコミュニケーションを深めることができます。看護師同士や医療スタッフとの円滑な連携によって、チーム全体の効率向上につながります。
患者さんの情報共有や連携が円滑に進むことで、より質の高い医療サービスが提供できます。



コーチングはより対等な関係を前提にしたコミュニケーションであり、部門間や上司・部下の関係改善にも役に立ちます。
患者さんを前向きにできる
コーチングを通じて患者さんとの対話を深め、患者さんのメンタルをより前向きにすることができます。
コーチングを使うことによって、患者さんの退院後のやりたいことや治療に向けてやるべきことを明確にすることができます。
これにより、目の前の目標や行動が明確にできるため、治療に向けた前向きなモチベーションを促すことができます。



患者さんの本音を引き出す技術が身につけば、より本質的なサポートをすることができます!
患者さんの行動変容を促せる
コーチングは、患者さんの行動変容を促進する効果があります。
例えば、生活習慣の改善や治療計画の実施など、患者さんが自分の健康に積極的に関わるきっかけを提供できます。
看護師がコーチングスキルを駆使することで、患者さんの健康管理に対して良好なパートナーシップを築くことができます。
看護現場でのコーチング導入は、多くのメリットがあるため、ぜひ導入の検討をしてみてください。


看護師が身につけたいコーチングスキル


ここでは看護師が身につけておくと、看護現場でのコミュニケーション改善や患者さんとの向き合い方の改善につながるコーチングスキルをご紹介します。
看護現場にコーチングを生かしたいという方は、まずは以下のコーチングスキルを知っておきましょう。
傾聴スキル
相手の話をしっかり聞くことは、信頼関係を築く第一歩です。
看護の現場では、患者さんやご家族が不安や悩みを抱えていることが多く、それを受け止める姿勢が求められます。
傾聴スキルを活かすことで、相手の気持ちを深く理解し、適切なサポートができるようになります。
具体的には、相手が話している間はうなずきや「あいづち」を入れながら、話しやすい雰囲気を作るのが大切です。
また、相手の言葉を繰り返す「オウム返し」をすると、相手は「しっかり聞いてくれている」と感じ、安心感を得られます。
コーチングの傾聴スキルについてもっと知りたいという方は、以下の記事も参考にしてください!


承認スキル
承認スキルとは、相手の言ったことや存在そのものをしっかりと受け入れる姿勢を持つことで、相手との信頼関係を築くためのスキルです。
看護師として患者さんに接するときも、医療チームで働くときも、相手の行動を肯定的に伝えることで、関係性をより良いものにすることができます。
たとえば、患者さんがリハビリに前向きに取り組んでいる場合、「頑張っていますね」と一言声をかけるだけで、モチベーションが上がることがあります。
また、チーム内でも「さっきの対応、すごく助かりました!」といった感謝の言葉を伝えることで、良好な関係を築くことができます。
- 患者さんや看護現場の同僚に敬意を示す
- 思い込みや先入観を持たずに、客観的な視点を持つ
- 相手の発言や行動を否定しない
重要なのは、相手を評価するのではなく、「事実を伝えて認める」ことです。
質問スキル
効果的な質問をすることで、患者さんの本音を引き出したり、医療チーム内での意思疎通をスムーズにすることができます。
特に、患者さんが症状や気持ちをうまく説明できない場合、適切な質問を投げかけることで、より的確な情報を引き出せます。
- 緊急度の高い問題でない場合、あえて答えを伝えずに考えさせてみる
- 相手が答えを考えている時間はじっくりと考えてもらう
- クローズドクエスチョンではなく、オープンクエスチョンで質問をする
質問には、大きく分けて「クローズドクエスチョン(はい・いいえで答えられる質問)」と「オープンクエスチョン(自由に答えられる質問)」があります。
たとえば、「痛みはありますか?」と聞くのはクローズドクエスチョンで、相手の負担を減らして簡単に答えやすくなります。一方、「どんなときに痛みを感じますか?」といったオープンクエスチョンを活用すると、より詳しい情報を引き出すことができます。
コーチングの基本スキルについてもっと詳しく知りたいという方は、以下の記事も参考にしてみてください!


【事例】看護師同士でのコーチングの使い方


看護現場においてコーチングを導入することは、スタッフのモチベーション向上やチームの協力を促進し、患者さんへの質の高いケアを提供する手段となります。
具体的にどのように看護現場でコーチングを導入すればいいのかという点をご紹介させていただきます。
中長期の目標を明確にする
コーチングは、個々の看護スタッフが自身の中長期的なキャリア目標を設定し、それに向けての具体的な計画を策定するのに役立ちます。
まずは1人1人がどんなことをやりたくて、どんなキャリアを築いていきたいのかを明確にしましょう。
中長期の目標がクリアであれば、看護現場で個人の目標に近づくための仕事をアサインできたり、仕事をする意義が明確になったりと様々なメリットがあります。
中長期の目標を明確にするためには、以下の質問をしていきましょう。
- 3年後にどんな状態でありたいか?
- 仕事と家庭、趣味で大切にしたいことは何か?
- 将来やってみたいことは何か?
- 将来欲しいものは何か?
- 人にどんな影響を与えていきたいか?
仕事での目標を明確にする
中長期の目標設定ができたら、次はそれを直近の仕事での目標に落とし込んでいきましょう。
仕事の目標が自分の実現したいキャリアにつながっていると思た時に、仕事へのモチベーションが大きく向上します。
「高い満足度を実現する」「クレームを出さない」「お金を稼ぐ」など目標は何でもいいので、仕事に関わる目標を設定するようにしましょう。
具体的な数字で表せる目標を設定することがポイントです。
仕事での目標設定に有効な、コーチングでの質問の例は以下の通りです。
- 仕事で達成したい目標は何ですか?
- 目標を達成したと言える基準は何ですか?
- 仕事で大切にしたいことは何ですか?
- 仕事を通じて誰に対して価値を提供したいですか?
- いつまでに目標を達成したいですか?
現状分析をする
仕事での目標が決まったら、目標に対して自分の今の現状はどうなのかといったことを分析しましょう。
コーチングでは、現状分析をして今の課題やリソースを分析することも大切なステップです。
現状分析を通じて強みや課題を把握し、それをもとにスキルや知識の向上を促進します。現場の課題解決にも寄与します。
看護現場での現状分析のフェーズで明確にしたいことは以下の通りです。
- 現状の課題は何か
- 目標達成に活かせるあなたの強みは何か
- 今持っている人的リソースは何か
- 今持っているその他のリソースは何か
やるべき行動を明確にする
コーチングでは、抽象的な目標を具体的な行動に落とし込むまで話し合いを行います。
スタッフが自身の目標に向かって何をすべきかを具体的に明確にすることで、それを実践に移しやすくします。
看護現場におけるコーチングは、スタッフの次にやるべき行動を明確にするところまでをゴールとして意識するようにしましょう。



次のコーチング面談の時間では、実際に行動をしてみてどうだったのかの振り返りからやっていくようにしましょう。
コーチングの1on1ミーティングでの使い方についてもっと知りたいという方は、以下の記事も参考にしてみてください!


【事例】看護師から患者さんへのコーチングの使い方


患者さんへのコーチングは、メンタル面のケアにとって有効な手段です。
中長期的なゴール設定から直近の目標まで、患者さんへのコーチングの使い方をご紹介します。
中長期の目標を明確にする
患者さんの治療や回復に向けた中長期の目標を確立することは、患者さんの治療へのモチベーションを高める手段となります。
コーチングを通じて、患者さんが退院後にやりたいことや欲しいものを明確にすることで、治療への活力が湧いてきます。
患者さんとのコミュニケーションにおいて、以下のような質問をしてみると効果的です。
- 退院後にやりたいことは何ですか?
- 退院後に会いたい人は誰ですか?
- 欲しいものは何かありますか?
実際の会話例としてはこのようなイメージです。
看護師:「○○さん、体調は少しずつ落ち着いてきましたね。退院後の生活について、どんなふうに過ごしたいと考えていますか?」
患者さん:「そうですね…。入院前みたいに、普通に家の中を歩いて過ごせるようになりたいです。」
看護師:「家の中を普通に歩けることが大事なんですね。それができると、どんなことができるようになりますか?」
患者さん:「自分で家事ができるようになったり、散歩に行けるようになったりすると思います。」
看護師:「それは素敵ですね!では、退院後に家の中をスムーズに歩けるようになることを、一つの目標にしていきましょうか。」
直近の目標を明確にする
中長期の目標が設定されたら、次に具体的なステップや直近の目標を設定しましょう。
直近の目標があることで、入院生活を少しでも前向きにすることができます。
「2ヶ月後までに退院をする」「1ヶ月後までに歩けるようになる」など、具体的な期限を決めて目標設定をするようにしましょう。
実際の会話例としてはこのようなイメージです。
看護師:「退院後に家の中を歩けるようになるために、今の段階でまず何ができるようになると良さそうですか?」
患者さん:「そうですね…まだベッドから立ち上がるのが少し大変なので、まずはスムーズに立ち上がれるようになりたいです。」
看護師:「なるほど。立ち上がる動作がスムーズになると、その後の歩行もしやすくなりそうですね。」
患者さん:「はい、今は手すりを使わないと難しいので、できればもう少し楽に立ち上がれるようになりたいです。」
看護師:「いいですね。じゃあ、まずは手すりを使いながらでもスムーズに立てるようになることを直近の目標にしましょう!」
やるべきことを明確にする
患者さんが目標を達成するためには、具体的な行動計画が必要です。
看護師は患者さんと共に、日々の行動や医療計画を立て、それを実現するためのサポートを提供します。
具体的なやるべきことが決まると、患者さんが自分の治療に対して前向きになり、実際の行動の変化を起こしやすくなります。
治療のための行動は専門的な知識が必要な場合も多いですが、必要な知識は伝えた上で、治療のために患者さんができる行動を設定するといいでしょう。
実際の会話例としてはこのようなイメージです。
看護師:「では、手すりを使ってスムーズに立ち上がれるようになるために、どんなことをしていくと良さそうですか?」
患者さん:「毎日、ベッドから起き上がるときに少しずつ意識してやってみようかな。」
看護師:「それはいいですね!たとえば、1日に何回くらい立ち上がる練習をするのが無理なく続けられそうですか?」
患者さん:「朝と昼と夕方の3回くらいならできると思います。」
看護師:「いいですね!じゃあ、まずは1日3回、手すりを使ってスムーズに立ち上がる練習をしてみましょう。もし疲れたら、無理せず少しずつ調整していけば大丈夫ですよ。」
患者さん:「はい、それならやってみます!」
看護師:「素晴らしいですね。少しずつでも前に進んでいることを実感できると、自信にもつながりますよ。一緒に頑張っていきましょう!」
上記はコーチングの流れに当てはめて会話例を作成させていただきましたが、実際には通常のコーチングと異なり、答えを伝えることも多いのが看護現場でのコーチングの特徴になります。
要所要所のスキルとしてコーチングスキルを使っていきましょう。
コーチングのおすすめの勉強方法については、以下の記事も参考にしてください!


看護師におすすめするコーチングの学び方


看護の現場では、後輩指導や患者さんとの関わりの中で「どう伝えるか」「どう寄り添うか」が求められます。
そのとき役立つのが、相手の話を引き出し、自ら考えて行動できるように支援するコーチングスキルです。
ここでは、看護師が無理なく実践できるコーチングの学び方を3つ紹介します。
本や動画で学ぶ
まずは手軽に始めたい看護師におすすめなのが、本や動画からの学習です。
コーチングの基本的な考え方や質問スキルは、初心者向けの書籍やYouTubeでも十分に学べます。
ポイントは、読むだけ・見るだけで終わらせず、日常のコミュニケーションで実践してみることです。たとえば、後輩に指示を出すときに「どうしたらうまくいくと思う?」と質問してみるなど、学んだスキルをすぐに現場で使うことで理解が深まります。


コーチングスクールに通って資格を取得する
より体系的に学びたいなら、コーチングスクールで資格取得を目指すのがおすすめです。
スクールでは実践トレーニングも豊富で、質問・傾聴・フィードバックといったスキルを体で覚えることができます。
数十万円からの費用がかかりますが、本格的にコーチングを学んで看護現場に取りれたいという看護師はぜひ検討してみましょう。


コーチングを受けてみる
実際にコーチングを受けてみることで、理論だけでは得られない気づきが得られます。
あなた自身が「話を聴かれる側」として体験することで、どんな質問が心を動かすのか、どんな関わりが安心感を生むのかを実感できます。
看護師として患者さんやチームメンバーに関わる際も、この傾聴される感覚を理解している人は信頼されやすいです。「まずは自分自身がコーチングを体験する」ことが、スキルを深く理解する近道となります。


コーチングを看護現場に導入する方法


看護の現場でコーチングを活かすには、個人がスキルを学ぶだけでなく、組織全体で活用できる仕組みづくりも大切です。
ここからは、現場レベルからマネジメントまで、効果的に導入するための3つの方法を紹介します。
マネージャーがコーチングスキルを身につける
管理職が「指示する」から「支援する」関わり方に変わることで、スタッフの主体性やチームの雰囲気が大きく変わります。
たとえば面談で一方的に評価するのではなく、「どうすればより良くできると思う?」と質問するだけでも、相手の考える力が育ちます。マネージャーが率先して実践することで、現場全体にポジティブな影響が広がります。


コーチング研修を導入してみる
研修では、基本的なスキルだけでなく、実際の看護場面を想定したロールプレイなどで実践的に学べます。
新人教育・メンタルケア・チームコミュニケーションなど、さまざまなテーマに応用できるのが魅力です。
一度の研修で終わらせず、定期的にフォローアップ研修を行うと、現場にスキルが定着しやすくなります。


組織コーチングを導入する
チームや部署全体でパフォーマンスを高めたい場合は、組織コーチングの導入がおすすめです。
組織コーチングとは、チームや組織全体の目標達成や成長を支援するために、メンバー同士の対話を通じて関係性・思考・行動を整えるコーチング手法です。
看護の現場では、患者ケアや人間関係など課題が複雑なため、外部のプロコーチに入ってもらうケースも増えています。組織全体で「聴く文化」「支え合う姿勢」を育てることが、離職防止やチームの活性化にもつながります。
看護師が使えるコーチングスキルについてよくある質問


看護師が使えるコーチングスキルについてよくある質問とその回答をご紹介します!
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まとめ:【事例あり】看護師が身につけるべきコーチングスキル|研修方法や使い方を解説
コーチングの看護現場への生かし方や導入方法についてご紹介しました。
看護現場でのコーチングはチームワークや患者ケアの向上に大きな影響を与えます。コミュニケーション強化や問題解決スキルの向上は、医療スタッフの能力を高め、患者へのケアの質を向上させます。
社内のコミュニケーションや患者さんへのアプローチを向上させたいという方は、ぜひコーチングの活用を検討してみてください!








